肝胆膵内科とは

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肝胆膵内科は、肝臓や胆道、膵臓などの病気を専門に扱う診療科です。
こうした臓器に生じる病気の中には、肝臓がんや膵臓がんなど、非常に厄介なものもあるため、専門病院での精査や治療が必要なケースも少なくないのですが、まずは当院の肝胆膵内科をご受診ください。
患者さまの症状を丁寧にお伺いし、必要な検査を行っていきます。
その上で、肝炎や脂肪肝、胆石症などの患者さまに対して主に薬物治療を行います。
なお、肝がんや膵がんの手術等の治療などが必要なときは、当院と連携している専門医療機関をご紹介いたします。

このような症状のときは当院をご受診ください

  • 最近、食欲が落ちてきた
  • 少し動いただけでも疲れやすくなった
  • なんとなく倦怠感がある
  • お酒が飲めなくなった
  • 悪酔いすることがある
  • 右上腹部が慢性的に痛い
  • 体重が減ってきた
  • 赤茶色の尿が出てきた
  • 白っぽい便が出ることがある
  • 鏡で目などを見ると白目が黄色い気がする
  • 微熱が続いている
  • 皮膚が痒い
  • 健康診断の際に肝胆膵の異常を指摘された

など

肝胆膵の主な疾患

など

B型肝炎

B型肝炎は、主に性行為による感染、母子感染、血液による感染によって発症します。
母子感染は出生時に感染するケースが多く、慢性化しやすいと言われています。
以前は輸血や注射針の使い回しで感染するケースもありましたが、最近は性行為や刺青などによるケースが目立っています。
一過性感染の場合、70~80%は不顕性感染で終わります。
しかし、20~30%は急性肝炎を発症してしまい、一部は劇症肝炎に至ります。
急性肝炎主な症状は、倦怠感、疲労感、食欲低下、嘔気、嘔吐、腹痛、黄疸、関節痛などですが、初期の段階では自覚症状が現れにくいケースもあります。
また、急性肝炎の一部は慢性肝炎に移行し、肝硬変や肝がんを発症する確率が高まります。
治療としては、体内のウイルス量や採血結果、症状に応じて内服加療を行います。急性肝炎の重症例や劇症肝炎では入院加療が必要です。
また、愛知県では、B型慢性肝炎の治療に関して、抗ウイルス薬の医療費の助成が受けられます。これには愛知県の指定医療機関による診断書が必要です。当院は愛知県指定医療機関となっておりますので、安心してご相談ください。

あいち肝炎ネットワーク(B型・C型肝炎患者医療給付事業)はこちら

C型肝炎

C型肝炎ウイルスが原因となって発症する病気です。
C型肝炎ウイルスは血液を介して感染し、発症します。
過去には輸血や注射針の使い回しによって感染することもありましたが、現在では刺青、違法薬物の注射、個人で行うピアスの穴あけなどによる感染が目立ちます。
ウイルス性肝炎のタイプはいくつかありますが、その中でもC型肝炎は最も慢性化しやすいと言われています。
その場合、肝硬変や肝がんを発症する確率が高まります。
現在C型肝炎ウイルスは内服加療により体内からの排除がほとんど可能となっています。肝硬変に進行する前に早期に感染を発見し、加療を開始することが大事です。
また、愛知県では、C型慢性肝炎の治療に関して、抗ウイルス薬の医療費の助成が受けられます。これには愛知県の指定医療機関による診断書が必要です。当院は愛知県指定医療機関となっておりますので、安心してご相談ください。

あいち肝炎ネットワーク(B型・C型肝炎患者医療給付事業)はこちら

脂肪肝

肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積されてしまう病気です。
この段階ならば肝臓は可逆的な状態にあるため、生活習慣を是正することなどで病状の回復が期待できる段階なのですが、きちんと対応しておかないと、肝臓の状態がどんどん悪化していきます。
脂肪肝は、腹部超音波検査によって、簡単に診断が可能です。
たかが脂肪肝と思っていても、最近は脂肪肝から肝硬変、肝がんと進行していくケースが増えており、注意が必要です。

なお、脂肪肝をはじめとした肝臓の病気について、「お酒の飲み過ぎによって引き起こされる」と考えている方も少なくないようですが、実際にはお酒を飲まない方にもよく起こります。
健康診断などで肝臓の検査値が悪かった方は、なるべく早めに肝胆膵内科を受診し、治療の必要性を判断するようにしてください。

肝硬変

慢性の肝障害が進行した結果、肝細胞が壊死して再生していく過程で線維化し、肝機能が低下してしまう病気です。
これに伴い、全身の倦怠感、疲れやすい、食欲不振、微熱、下肢のこむら返り、痒み、皮膚の赤み、食道静脈瘤、黄疸、腹水、下腿浮腫、行動異常など多岐にわたる症状が出現します。
肝硬変となる原因は、肝炎ウイルス、脂肪肝、アルコール、自己免疫疾患等、多岐に渡ります。
肝臓は非常に再生能力が高い組織なのですが、肝硬変にまで進行すると、一般的には非可逆的だと考えられています。
そのため、お薬などを使って肝臓の状態がこれ以上悪化しないよう治療します。

胆石症

胆石症とは、胆のうの中に胆汁のかたまりができてしまう病気です。
胆石の発生頻度は高く、日本人の約10人に1人が胆石を持っているとも言われます。
この胆石ができても目立った症状がみられず、無症状のまま日常生活を送っている方も珍しくありません。
しかし、胆管を詰まらせてしまうと、突然の激しい痛みを引き起こします。
そのほか、脂っこいものを食べた後に腹部の右上辺りが痛む、背中やみぞおちが痛むという患者さまも多いです。
治療としては、胆石があるだけで痛みなどの症状がみられないときは、胆汁の流れを改善する薬を使用しながら経過をみていきます。
胆のう炎や胆管炎のように炎症を起こしている場合や胆管に生じた結石には、手術・処置が行われます。

急性膵炎

急性膵炎は、膵臓に突然の炎症が引き起こされる病気です。
主な症状は、上腹部の激しい痛み、背中の痛み、吐き気、嘔吐、発熱などですが、重症例では呼吸困難、血圧低下、意識障害などもみられます。
主な原因は、飲酒と胆管結石です。暴飲暴食後などにも起こりやすいといわれています。
軽症の場合は、内科的な治療で治癒しますが、重症の場合は集中治療室での治療が必要になることもあり、時には命に関わる病気です。